最初はひどかった

PCM1804 できました。
いやー今回はがんばっちゃったよ。電源、トランス二つ使ってデジタルとアナログ分けたし、レギュレーターもディスクリートだし。躯体の80%が電源回りだよ!すごいがんばったよ・・・・・。

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でも、ノイズフロア80dBぐらい。そんだけじゃなくてなんかノイズも聞こえる・・・・。どうしてこうなった。

色々原因を調べてみると、どうやら過電圧保護のショットキーダイオードからの漏れ電流のようだ。

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これはこの ADCの入力の部分だけど、普通こういう機材の入力部分は何が入力されるかわからないので、何らかの保護回路を作りこみます。この例は抵抗器とツェナーダイオードの組み合わせで上下7.7V以上の電圧をストップしてますね。さて、この場合一番問題になるのはノイズでしょう。あまり考えの足りていない不用意な保護回路を使うとそこでノイズにやられて「うひょ~」となります。今回の私ですね。ですが場所はここではありませんでした。

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まあ、上の回路はマイクプリの入力でさんざんテストして素子も選んだ回路でしたので、最初から犯人から除外でした。じゃ犯人は・・・と、次のディフィレンシャルの回路の後の保護回路のショットキーダイオードでした。
でもそもそも、なんでこんなところに保護回路入れるの?
ですよね~。普通、自機材内の回路はみずからの管理下にあるので、電圧からの保護回路などチャント設計してあれば必要ないノシ。
なんつーか、魔が差したつーか、この後に接続されるADC素子 PCM1804 ていうの初めて使うんよ。で、データシート読んでると過電圧にめっぽう弱いらしいと書いてあったため。なんつーかじゃ 2V 以下にシャットしとけば「大丈夫だ問題ない」なんじゃねーかと、短絡的に考え(設計で適切にコントロールするのがめんどくさかったわけじゃナイデスヨ)上記の仕儀と成り、ショットキーダイオードの漏れ電流の大きさにおののく羽目となったのです。なんてゆーか、色んな参考書とかに書いてある事って自分でやんないとわからないものですね。私もここはラインレベルだし、漏れ電流からのノイズ、たいした問題にならないハズ。と考えていました。ところが現実はそんなことはなかったでした。ここに実装設計の難しさがありますね。
適切な回路、適切な素子、必要十分な性能。これらを勘案して予想し設計するのはやはり難しいですね。

さて、そんなわけで結局そのショットキーダイオードは回路図のごとくお払い箱となり、そこの部分はスキマとなったしだいです。

ここで、賢明な読者の皆様は気づいておるでしょうが、「じゃ、保護回路ないんじゃあぶないんじゃね?」という事に。
これはですねー、いわゆる性能とのトレードオフという問題になるのですよ。ゴマカシテナイヨ。
先の入力の部分の保護回路、あれも音のことを考えるならばホントはないほうが良いのですよ。ただ、さすがに外部とのインターフェイスは、保護しないと即故障につながるので(この場合一番多い事故はファンタム電源を印加してしまうケース)どうしても必要なんです。
でも、内部に関してはリスクをコントロールし十分トレードオフ出来るんですね。大丈夫、じか付けでつなげてないで抵抗器挟んでるからここで減衰されるから。たぶん大丈夫でつ。ホントだよ。

まあ、そんなこんなで何とかノイズ問題はかたずいたのですが、ノイズフロアは、かなりよくなったのですが依然として 100dB ほどで今ひとつでした。
なかなか道は遠しです。

 

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